バリアフリー教育プロジェクト

「心をつなぐ壊れた車いす」

日本−タイ国際交流(国際電話でのライブ中継


3月28日(火),タイでは午前中車いす贈呈式が,ナン中学校で開催された。贈呈式後,引き続いて歓迎会が盛大に行われた。その会場とを国際電話で結んで,少しでも現地の様子を知りたい,感じたいと,日本側でも集まる機会を持った。あいにく春休みということで,昨年このプロジェクトに関わった各校の3年生は,あまり集まることができなかったが,吹田第5中学校と附属天王寺中学校から,卒業した3年生を代表して各3名ずつ集まってくれた。また,次年度の活動を支える1年生と2年生が参加してくれた学校もあった。

日時:2000年3月28日(火)13:00〜16:30

場所:大阪教育大学附属天王寺中学校

参加者の状況

大阪市立東住吉中学校2年男子3名女子2名

生駒市立生駒北中学校先生1名

大阪市立大桐中学校1年生女子3名先生1名

大阪府立和泉養護学校先生1名保護者1名

大阪教育大学附属天王寺中学校男子1名女子2名先生1名

メインストリーム協会1名

吹田市立第5中学校3年生男子3名

特別参加:熊本大学附属中学校先生1名,

雑誌記者1名


イベントの概容

1,本年度の各校の活動状況紹介

 日本側では,次年度より活動に携わっていく1年生と2年生のために,まず本年度の各校の活動状況を知ってもらうことにした。プロジェクトの内容を把握するために,昨年度に奈良テレビで放送された生駒北中学校の番組と本年度放送されたケーブルテレビの吹田5中の番組とを見てもらった。

それに続いて

現在行っているタイ訪問の旅の概容を知ってもらうために,NHKで放送されたプライム10から「車いすのネットワーク作り」という番組を見てもらった。この番組は,国連のESCAPで勤める高嶺 豊さん(障害者問題専門官)の活動を追った番組である。約8年ほど前の内容であるが,タイの障害者のネットワークを作っていく活動を丹念に取材しており,その中の登場人物に,今回お世話になっているタイの肢体不自由者協会のトポンさんも登場している。今回のプロジェクトを把握するには打ってつけの番組である。

ビデオを見る各校の生徒たち

2,タイ現地との国際電話でのライブ中継

 14:30頃(現地時間12:30頃)タイ現地の岡田先生から,携帯電話で連絡が入った。現地では,タイのカンチャーナ副教育相を初めとして,総勢800人くらいの非常に大きな贈呈式となったようである。参加している生徒に次々に電話に出てもらったが,みんな少し興奮気味のようであった。日本側では,午前中の式典の様子を,太田君菊川君がe-mailの添付書類で,静止画と動画を送信してくれていた。それを見ながら,少しでも現地の状況を知ろうと試みた。

トポンさんたちの挨拶

英語でのスピーチうまく行ったよ!

すごい出席者800人近く!

カンチャーナ副教育相も出席されたそうだ

 

 最後に,トポンさんから「車いすを贈って下さって本当にありがとう。タイの多くの障害者が行動的な生活ができるようになる。贈られた人たちの笑顔を,本当にみんなに見てもらいたい気持ちでいっぱいです。このプロジェクトに関わってくれた全てのみなさん,本当にありがとうございました。」とのメッセージが届けられた。

3,障害者理解のための集い

現地との交流ライブの後,障害者理解のために,メインストリーム協会の当初予定していた佐藤さんが出張のため,井内ちひろさんが講師となって,障害者理解のためのクイズ大会を行った。クイズは,ちひろさんが乗っている車いすの値段や海外へ行ったことのある国など,三択形式のクイズをしながら,補足として詳しい解説を話して行かれるなど,楽しく工夫されたものであった。(メインストリーム協会の人たちは,どなたも明るい。まさに最近チャレンジドといった英語表現がぴったりの感がある。)

交流会を終わってパチリ!

何と100万円もする最新式電動車いす!

 

日本側は,残念ながら人数は少なかったけれど,中身の充実したイベントであった。


文責:上田 学